那智勝浦漁港を取り巻く問題
生マグロ捕獲量日本一の那智勝浦漁港とは
和歌山那智勝浦漁港は和歌山県の那智勝浦町にある港です。周辺に大小さまざまな島(紀の松島)が点在する入り江に囲まれた港のため、太平洋の荒波が入ってくることのない、とても波の静かな港です。
周辺は自然豊かな吉野熊野国立公園に指定されています。熊野に降る雨が伏流水となって海中に流れ込み、そのミネラル豊富な水をマグロたちが飲みに来るとも言われています。
延縄漁法でとれたマグロが冷凍されず生のまま水揚げされる生マグロの水揚げ日本一の港であり、日本有数の生まぐろの水揚げ基地でもあります。
漁業が花形産業だった時代は、黒潮にのってやってくるマグロを延縄漁法で釣り上げ、冷凍することなく生で持ち帰ってきた生のマグロが市場におさまりきれず、道端まであふれていた時もありました。
海岸線をあらう黒潮にのってマグロやカツオがやってくる豊かな漁場として栄え、驚くことに小型のサンマを追ってやってきたマグロを、丘から目と鼻の先で捕獲する光景が当たり前のようにみられたようです。
1970〜1980年ころは遠洋マグロの基地として全国にその名を轟かせていました。
しかし、昭和の後半から平成にかけては、魚価の低迷によって巻き網船がどんどん入ってくるようになったため、延縄漁法で釣り上げられた鮮度の良い生マグロの魚価も下がってしまいました。そのため、港に入れる船を延縄漁船のみにして、活〆処理された鮮度の高い生のマグロだけを取り扱う港となり、今に続いています。時代の流れに逆行して量より質の漁へ大きく舵をきったのです。
港の卸売り市場では午前4時から、延縄漁法で釣り上げたマグロたちの水揚げ作業がはじまります。
水揚げされるマグロのほとんどが近海でとられ、漁船はマグロの鮮度を落とさないため、漁を終えてから5日~10日で港に戻ってきます。
延縄漁法で釣り上げたマグロは、船上で漁師がマグロ1本1本を生き〆処理(体液と血液、内臓をとって洗浄し、魚層(氷水)で保管する)され、身のしまったとても良い状態(美味しい)ものばかりです。
那智勝浦漁港を取り巻く問題
そんな和歌山那智勝浦漁港ですが、近年はマグロ資源の減少により岐路にたたされています。漁業関係者の高齢化と後継者難が大きな問題となっています。40代でも若年層に入る状況です。
厳しい状態を打開すべく、マグロ仲買業者のヤマサ脇口水産の脇口社長とさわかみ生マグロ直販クラブが力を合わせ、マグロが抱える問題の解消に向け挑戦をはじめました。
詳しくは、下記のドキュメンタリー映像をご覧ください。YouTubeでサンプル映像をご覧頂けます。
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