延縄漁法とは
延縄漁法は1本の長い縄に一定間隔で釣り針をつけて海(漁場)に設置し、マグロがかかるのを待つという漁法です。

網を使用した巻網漁が、狙った魚以外も引き上げてしまうリスクが高いのに対して、延縄漁は狙った魚をピンポイントに釣ります。巻網漁が「面」で魚をとるのに対し、延縄漁は「ピンポイント」でとる。つまり、獲る魚の量をコントロールしやすいことから、漁業資源に対して優しい漁法、といわれています。
効率がわるい漁法のため、マグロの群れの中で釣り上げられるマグロはほんの一握り(5%~7%)となり、網をつかってマグロの群れを一網打尽にしてとってしまう巻き網漁法の100分の1程度と少ない漁法です。1000本の針がついた延縄では、50本のマグロがかかれば大量と言われるほどです。
しかし、群れの中の多くのマグロたちはつり上げられることはありません。釣り針の大きさや餌にする魚の種類を変えることで、子どものマグロが釣り上げられることを防ぐことができるなど、マグロ資源の枯渇問題につながることのない漁法でもあります。
また、この漁法はマグロを1尾ずつ釣り上げ、すぐに内蔵や血を抜く「活〆(いけじめ)」を行うため、とれたマグロはとても品質が高く、本来は高い魚価で販売されるマグロです。
マグロの群れをとても大きな網で囲い、群れごとマグロをとってしまう巻き網漁法でとれたマグロとは違います。
網を使用した巻網漁が、狙った魚以外も引き上げてしまうリスクが高いのに対して、延縄漁は狙った魚をピンポイントに釣ります。巻網漁が「面」で魚をとるのに対し、延縄漁は「ピンポイント」でとる。つまり、獲る魚の量をコントロールしやすいことから、漁業資源に対して優しい漁法、といわれています。しかしながら、一方で、海に浮かんだ死んだイカなどを食べるアホウドリのような大型の鳥が、誤って延縄の釣り針を拾い食いしてしまったり、ウミガメが水中に仕掛けた釣り針を間違って口にしてしまうこともあります。そこで最近では、対象としない生物の漁獲(混獲)を避けるための技術・工夫や漁具も発達してきています。
延縄漁法で捕獲された魚はストレスが少なく、色、質感、香りが良く、より美味しくなるという利点があります。魚の品質が高いのは、圧縮ダメージが少なく、収穫時間が短いため血液の損失が少ないためです。また、延縄漁法は巻き網漁法に比べ、エネルギー効率が良く温室効果ガスの排出が少なく、海底の破壊が少ないという利点もあります。魚の自然生息域を破壊することが少ない。これらの利点に加え、延縄漁は不要な漁獲を減らすことにも役立っています。